┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ◆ 第35号◆ 給┃与┃計┃算┃の┃基┃礎┃知┃識┃ 2003.12.03 ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ ◆ 毎週水曜日発行◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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■■目次■■
・Vol.035「年末調整(給与総額、給与所得控除後の金額の計算)」 ・用語集No.035「小規模企業共済」 ・気になるNews! ・編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■Vol.035「年末調整(給与総額、給与所得控除後の金額の計算)」  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 印刷した文字を消すことができるトナーが発売されるそうです。会議などで使 用した印刷物を回収して文字を消去し再利用するという非常に環境に優しい製品 だと思いますが、ホッチキス止めした書類なんかだといちいち針をはずすのが面 倒のような気がします……。まあ、でもコストも削減できるのであればなかなか いいかも知れませんねー。 http://www.toshiba.co.jp/about/press/2003_12/pr_j0201.htm
さて、前号・前々号では年末調整の準備や流れについて説明しましたが、今回 から具体的に見ていくことにしましょう。
●STEP1 1年間の給与支給総額・徴収税額を集計する  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 12月の給与が確定したら、1年間の給与総支給額と賞与総支給額、それまで に源泉徴収した所得税の合計額の集計をします。年末調整はまずこの計算から行 います。この時に使用するのが「源泉徴収簿」と呼ばれる書類です。源泉徴収簿 は法令で定められたものではないので、毎月の支給額や源泉徴収の記録などが分 かるものであればそれを利用しても問題はありませんが、一人一人から申告され た扶養親族等の状況や月々の給与の金額、その給与から徴収した税額等を各人ご とに能率的に記録できるように作成されているので、源泉徴収簿を使うと良いで しょう。 (見本⇒ http://www.nta.go.jp/category/yousiki/gensen/pdf/1648_03.pdf)
毎月の総支給額、社会保険料の控除額、社会保険料控除後の給与等金額、扶養 等の数、算出税額などを書き、総支給額合計と算出税額合計を計算したら、源泉 徴収簿右側の欄に転記します。賞与についても同様に行いましょう。給与と賞与 を合計し、1年間の合計金額を集計します。(↓を参照して下さい。) http://members15.tsukaeru.net/mnbusao/back/chousyubo.jpg
ちなみに、↑の源泉徴収簿は、ブサオの実際の支給金額とは全く関係ありませ ん(^_^;)、念のため。
なお、集計に当たっては以下の点に注意してください。
・本年中に支払いの確定した給与は、未払いとなっていても本年の年末調整の対 象になりますので、集計に含めます。
・食事の支給や、各種保険料の使用者負担などの現物給与のうち課税されたもの は、その支給額と徴収税額を含めて集計します。
・年の途中で就職した人で、前の会社で受けていた給与がある人は、前職分の金 額も含めて集計します。あらかじめ前職の源泉徴収票を提出してもらい確認を しましょう。
●STEP2 給与所得控除後の給与等の金額の計算をする  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 1年間の支給総額、徴収税額の集計が終わったら、次に給与所得控除後の給与 等の金額の計算をします。給与所得控除とは、給与所得者の必要経費と考えられ るもので、1年間の給与等の金額から差し引き、残額が課税の対象となります。 給与所得控除後の給与等の金額を求めるには、「年末調整等のための給与所得控 除後の給与等の金額の表」という大変便利な表を使います。 表はコチラ⇒ http://www.nta.go.jp/category/pamph/gensen/2010/pdf/66.pdf
STEP1で計算した給与と賞与の支給金額の合計額を、この表の給与等の金 額欄に当てはめると、隣に給与所得控除後の給与等の金額が出てくるという単純 で分かりやすい表です。ここで算出された給与所得控除後の給与等の金額を、源 泉徴収簿の欄に記入します。
また、給与や賞与の合計額が660万円未満の場合は、表を見れば給与所得控 除後の給与等の金額はすぐに分かりますが、それ以上の金額の場合は計算方法が 変わってくるのでご注意ください。
≪給与・賞与の総額が660万円以上1,000万円未満の場合≫ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃給与・賞与の総額 × 90% − 1,200,000円 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ という算式で給与所得控除後の給与等の金額を計算します。先のブサオの源泉徴 収簿の例だと、給与・賞与の総額が776万円なので、
7,760,000 × 0.9 − 1,200,000 = 5,784,000 となりますね。
≪給与・賞与の総額が1,000万円以上2,000万円未満の場合≫ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃給与・賞与の総額 × 95% − 1,700,000円 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ という算式を使います。これらの計算で1円未満の端数がある場合は、切り捨て た額を給与所得控除後の給与等の金額とし、源泉徴収簿に記入します。
また、給与・賞与の総額が2,000万円の場合は、給与所得控除後の給与等 の金額は17,300,000円となっています。
次回は「年末調整(各種控除額の計算)」です。ちなみに前号で次回の予定を 間違えてしまいました。ゴメンなさい<(_
_)>
それでは、皆さま風邪を引かぬようお気をつけ下さい。また来週〜。
(ブサオ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■用語集No.035「小規模企業共済」  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「小規模企業共済」は「小規模な企業の役員や個人事業主のための退職金制度」 です。
従業員数が20人以下(商業・サービス業の場合は5人以下)の個人事業主と 会社の役員、一定規模以下の企業組合・協業組合の役員が加入できます。
毎月の掛け金は1,000〜70,000円の範囲で選べます。個人事業の廃止、 会社等の解散、役員の疾病・負傷・死亡等による退職などがあった場合に支給さ れます。
毎月の掛け金は年末調整時に全額を社会保険料として控除できます。
(ブサコ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■気になるNews!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ・『家族・住宅手当を全廃へ ソニー、係長以下にも成果主義』 ソニーは29日、国内の係長以下の一般社員約1万2000人に対し、来年4 月から成果主義を徹底した新しい賃金制度を導入することで労使が合意したこ とを明らかにしました。 http://www.asahi.com/job/news/TKY200311290155.html
・『サービス残業の是正払い、半年で72億円に』 労働基準監督署から指導を受けて、サービス残業に対する賃金を後から払った 企業が02年10月〜03年3月までの半年で403社ありました。 http://www.asahi.com/job/news/TKY200312010167.html http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/11/h1128-2.html (厚生労働省)
・『サービス残業、35%が「あり」 連合総研調査』 連合総合生活開発研究所が1日まとめた首都圏と関西圏に住む民間雇用者のア ンケート調査で、残業手当の支給対象者のうち35.2%がサービス残業をし ていることが分かりました。 http://www.asahi.com/national/update/1201/035.html
・『年功賃金、終えんへ=産業界で拡大の可能性−春闘の役割も変化』 大手企業で、年齢や勤続年数に連動して給料が増える年功序列型賃金制度が終 えんを迎えつつあるようです。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031129-00000849-jij-biz
・『松下も年功型→成果型の賃金体系に…対象は全社員』 松下電器産業が、勤続年数に応じて毎年昇給する年功型の賃金を廃止し、仕事 の実績や能力に応じた成果型の給与体系に移行する方針を固めたことが、先月 26日に明らかになりました。 http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20031126i105.htm
(ブサコ) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃【給与計算の基礎知識】第35号 ◆ ┃ 2003.12.03発行 ┃ ┃発行人:ブサオ ┃アシスタント:ブサコ ┃URL: http://members15.tsukaeru.net/mnbusao/ ┃登録・解除は上記ページか下記配信スタンドからお願いいたします。 ┃ ┃本メールは、等幅フォントで最適にご覧いただけます。 ┃ ┃ご意見・ご感想・お問い合せはこちらへ mnbusao@hotmail.com ┃ ┃このメルマガは以下の発行システムを利用しています。 ┃まぐまぐ( http://www.mag2.com/ ) マガジンID:0000107232 ┃melma!( http://www.melma.com/ ) マガジンID:m00086598 ┃Pubzine( http://www.pubzine.com/ ) マガジンID:22010 ┃Macky!( http://macky.nifty.com/ ) マガジンID:mnbusao ┃カプライト( http://kapu.biglobe.ne.jp/ ) マガジンID:7467 ┃ ┃バックナンバーは各メルマガ配信スタンドで閲覧できます。 ┃まぐまぐ http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000107232 ┃melma! http://www.melma.com/mag/98/m00086598/ ┃Pubzine http://www.pubzine.com/detail.asp?id=22010 ┃Macky! http://macky.nifty.com/cgi-bin/bnadisp.cgi?M-ID=mnbusao ┃カプライト http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/7467.html ┃ ◆ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
■■編集後記■■
読者の方から素敵なメールを頂きました。
〜以下抜粋〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 【給与計算の基礎知識】をいつも楽しみに読ませていただいています。給与計算 事務はぜひ知っておきたいと思いました。そんな時メルマガの存在を知り購読を 始めたのですが、とても筋道立っていてわかりやすい!!へたな解説本よりよほ どいいと思います。せっかくこれだけわかりやすく書かれているものだから、部 内の他の者にもぜひ読ませたいと思うのですが、もしよければ社内の掲示板シス テムに載せさせていただけないでしょうか。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
少々くすぐったい感じもしますが本当に嬉しかったです。(^^)
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Y様メールどうもありがとうございました!!!
(ブサオ)
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